入学にもらったシチズンの腕時計の価格

Pocket

私は高校は、地元の公立高校を受験し、何とか合格して入学しました。当時は携帯電話などはほぼない時代でしたので、出先で時間を見るには腕時計と決まっていました。高校生にもなれば、時間を自分で管理する必要もあるだろうということで、入学祝として父親が用意してくれていたのがシチズンの腕時計をでした。特別な入れ物に入れられており、いままで、店頭でたくさん並べられているキャラクターつきのものとはちょっと雰囲気が違っていました。銀色の枠にシンプルな白地にのもので、針が秒針を入れて3本が動いているものでした。ずっしりと重く、ピカピカひかり、細い手首には不釣合いな感じがしたことを覚えています。当時は今考えても子供っぽく、勉強や運動部のことこそなんとかこなしていたものの、それ以外のことは何も考えていないに等しく、持ち物へのこだわりもまったくありませんでしたので、ありがたみがピンと来ていませんでした。価格的にも、後から聞いた話では4万円ほどのものだったらしく、それまで持ち歩いていたものの中で一番高いものといってもよかったと思います。それが、半年ほど経ったある日、いつもどおり部活動を終え、家に帰ってから、腕時計をなくしていることに気がつきました。水泳のときにはずしたところまでは覚えていたものの、その後の記憶がまったくありませんでした。バッグの中から、机の下まで、探しましたが、まったく見つかりませんでした。父親へそのことを伝えたときの、寂しそうな顔を忘れることができません。ただ、私の記憶には価格以上のものが残ったことは確かです。